シエラ・ハル&ハイウェイ111、今晩からツアー開始です。

シエラ・ハル&ハイウェイ111のツアーが今晩、札幌を皮切りにはじまりました。さーて、各地でどんな反響を巻き起こすんでしょうか…??

来日メンバーについて、しばらく時間を過ごした印象を含めて、少し紹介しておきます。
ちなみに、今日からのツアーに先立って一週間前から来日していた若い彼らがジャムをはじめるとレパートリーの中心はあの伝説のJ.D.クロウとニューサウス、そしてフィドル・チューンの数々…、CDやステージで何をしようが、彼らのテクニックがいかにぶっ飛んだものであっても、若い彼らのど真ん中には、ぼくらと同じブルーグラスが脈々と伝わっていると感じました。では、簡単な紹介です…。

コリー・ウォーカー
18歳にしてハイウェイ111のサウンドをまとめ役もするコントロールの効いたバンジョー奏者で、ドブロの名手です。今回は重いのに両方とも持ってきています。トラッド/ソリッドグラス命と言っていますが、そこは好奇心旺盛な若者、ベラ・フレックもこなしてしまいます。28日に先に帰国した弟のジャロッド(16歳)のほうが早かったですが、ギターもメチャうま。ふだんはホカーンと口をあけた今どきの若者ですが、楽器を持たせると目つきが変わります、さらにバンドのまとめ役になると体形も変わります…!?
クリスチャン・ウォーカー
カリフォルニアの16歳。ステュアート・ダンカンを思わせるすばらしいトラッドグラスと、ユース・コンサートの"Swing 42"で見せたような大人顔負けの余裕のジャズまでこなしてしまう…、いやはや、彼はシエラに負けず劣らずの天才です。ふだんはおとなしく控えめな中学生と言った感じのかわいい、素直な子です。かれも、シエラと同様、とんでもないレベルに行きそうです。
シェーン・ブックウェル
ジョージア出身の31歳。鉄壁のブルーグラス・ドライブと、トニー・ライス以降のバリバリフラットピッキンでバンドを支えることでしょう。なんで知ってるか?って……、28日に成田に迎えに行った帰りのバスの中でギターを弾きだした(ただし、貸切)。小柄でちょっとチャビー、少し話した感じでは、100パーセント人の良い田舎のあんちゃんといったところでしょうか。
ジェイコブ・エラー
あの歴史の街、ブリストル出身の25歳。体中からアパラチアのあんちゃんのオーラが出ています。日本で準備されたアコースティックが弾きづらい場合にそなえてピックアップつきのアップライトを持ってきたけど、演奏はまだ聴いていない。
シエラ・ハル
16歳。交流会のサヨナラパーティーで着た柿色の浴衣がめちゃくちゃ似合う、日本人サイズの小柄で快活な女の子。これがマンドリンを持つと、どーしてあんなになるんでしょう? もう7年くらい見続けているんですが、その旺盛な好奇心は、日本語習得と同様、尋常ではない。ブルーグラス・ユース・コンサートで聞かせてくれたクラシックからジャズまで、そしてギターがまた、メチャ上手い。歌に関しては、CDよりも上手くなったような、つまり、急激な発展途上を目の当たりにすることが出来る。ふだんはピョンピョンと元気なアメリカン・ガールだが、ときおり周囲を厳しい目線で観察、その回転の早い頭で状況を把握している風。ただし、ちやほやされていることに対しての思い上がりなどは微塵も見せず、つまり、スターへの階段を確実に昇りはじめているといった感じ。

ハイウェイ111のツアーに先立って、シエラ・ハルと16人の「ブルーグラス・ユース」仲間達は7月23日に来日。16歳から18歳までの彼ら、フツーの高校生としてホームステイをしながら、文字通り国際交流を実践し、27日に彼らのコンサートが川口市の文化施設、リリアホールで行われました。ピーター・バラカン氏の司会で、スコッチ・アイリッシュのバラッドとフィドルから、アメリカ史を追いながら、ブルーグラスに至るアメリカン・ルーツ・ミュージックの歴史を紹介しました。彼らは28日、ツアーをするシエラ、コリー・ウォーカー、クリスチャン・ウォードの3人を除いて帰国しました。帰国組みの中、コリーの弟ジャロッドは、おそらく高校卒業と同時に大ブレイク間違いなしのスーパーピッカーとして有名になることでしょう。シエラやコリー、クリスチャンも含めて、ブルーグラス・ユースに関するリポートはまたムーンシャイナーにて紹介するつもりです。いやはや、若いって、やっぱりすばらしい…!!

ではみなさん、各地のツアーを、お楽しみに!!

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シエラ・ハル全国ツアー詳細

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■シエラ・ハル&ハイウェイ111全国ツアー
~究極のアメリカン・アコースティック話題の16歳、
「ビッグなスモールタウン・ガール」のジャパン・ツアー~

―――アルバム・デビューの年齢は87年のアリソン・クラウスと同じ16歳。今のアリソンに匹敵する歌い手に成長するか今後の楽しみですが、マンドリン奏者としての才能はすでに驚くほどです。しかも、若者にありがちな派手さはあまりなく、ヴェテランのようなしっかりした演奏なので本当に印象的です。―――ピーター・バラカン

―――ほんのときおり、われわれの注意を惹きつける才能が現われる。今、それがシエラ・ハルのときなんだ。―――サム・ブッシュ

―――シエラは、まぎれもない特別な才能に恵まれた素敵な女の子であり、成功が約束された人です。わたしは、その人柄とともに彼女を敬慕します。―――アリソン・クラウス

【全国ツアー日程】
 8月6日の東京公演は、おかげさまでソールド・アウトとなりました。出来ましたらツアー最終日、8月7日の横浜公演のサポートをお願いします!! なお、それぞれの地方の状況により公演の内容はまちまちですので、以下の各地ボランティアにお問い合わせください。……皆さんのご協力/サポートをよろしくお願いします。

●7月29日(火)札幌、ジッピー・ホール(011-721-3049)。(問)後藤宣人090-7501-1534、waltz_for_nobby@hotmail.com
●7月30日(水)名古屋、TOKUZOU(052-733-3709)、http。(問)ホスコ052-796-1588、shunichi@hosco.co.jp
●7月31日(木)福岡、ディキシー092-553-1320、dixie72@crux.ocn.ne.jp http
●8月1日(金)広島、府中市文化センター中ホール(0847-45-6000)。(問)前田宏樹090-9731-4768、maedolin@hotmail.co.jp http
●8月2日(土)兵庫、宝塚ブルーグラス・フェスティバル。(問)B.O.M.サービス0797-87-0561、info@bomserv.com http
●8月4日(月)京都、都雅都雅075-361-6900、togatoga@ce.wakwak.com http 
発売日6月29日ぴあPコード297-834 ローソンL コード 59241 <都雅都雅>
●8月5日(火)平塚、ホテル・サンライフ・ガーデン(0463-21-7111)。http (問)湘南ブルーグラス090-7632-5602(三瓶、17時以降)、tanzawa@bgma.jp
●8月6日(水)東京・曙橋、バック・イン・タウン03-3353-4655。(問)中西孝仁047-323-2615(20時以降)、http://www.ne.jp/asahi/bunny/gator/index.htm (売り切れです。なにとぞ、横浜をサポートください!!)
●8月7日(木)横浜、サムズアップ045-314-8705、http。(問)オン・ザ・ボーダー03-5275-1950、border@mac.email.ne.jp

総合(問)シエラ・ハル来日事務局(渡辺三郎) 0797-85-8384、fiddleandbanjo@nifty.com
総合案内:http://fiddleandbanjo.way-nifty.com/bg/

 今年5月、ラウンダー/BMGから大きな話題で全米メジャーデビューを果たし、アリソン・クラウス以来の逸材といわれるシエラ・ハルが初来日です。カントリー/フォークのルーツであるアパラチア音楽の伝統を受け継ぐブルーグラス、全米からピックアップされた若きトップ・ミュージシャンたちによるマンドリン、フィドル、バンジョー、ギター、ベースの超美技!と、天才マンドリン少女のさわやかボーカルをご堪能ください。 ……今もっとも旬なブルーグラスを、一人でも多くの音楽ファンや若者に聴いてもらいたい!! ぜひ、周囲の方もお誘いください。きっと驚きますよ!! 
 今回の来日ツアーは、シエラ・ハル側を含めた各地のブルーグラス・サークルのボランティアで実現したもので、黒澤楽器(マーティン・ギター)、トーラス(コリングス・ギター&マンドリン)、B.O.M.サービス、オン・ザ・ボーダー、ホスコ(ゴールドスター・バンジョー、ケンタッキー・マンドリンほか)の各社が協力しています。
 シエラ・ハルについては月刊ブルーグラス・ジャーナル『ムーンシャイナー』6月号と7月号の特集記事をご参照ください。
ムーンシャイナー http://www.bomserv.com/MoonShiner
シエラ・ハル http://www.sierrahull.com

【ハイウェイ111メンバー】
●コリー・ウォーカー、バンジョー
18歳のバンジョー奏者、ヒーローであるJ.D.クロウ・スタイルを基本に、ロン・ブロックやベラ・フレックまで弾きこなしてしまう天才。ドブロもよくする。最新アルバム『New Branches』発売中。http://www.coryandjarrodwalker.com/
●シェーン・ブラックウェル、ギター
父は知る人ぞ知るトラッドグラスの雄、元ビル・モンローのブルー・グラス・ボーイやカウンティ名盤「ディキシー・ブルーグラス・ボーイズ」で知られるカーティス・ブラックウェルというフラットピッカー。
●ジェイコブ・エラー、ベース
バージニアのノー・スピード・リミットというバンドで鍛え上げられた鉄壁のリズム・キーパー・
●クリス・ワード、フィドル
16歳のロサンゼルス出身、若さに似合わぬトラッド・ブルーグラス・フィドラー。父親はウェアリー・ハーツやロスト・ハイウェイで知られるエリック・ユーグラム。昨年発売のアルバム『The Old Road to Jerusalem』はトラッドグラス秀作として高い評価を受けている。http://ericuglum.com/
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シエラ・ハル「ビッグなスモールタウン・ガール」…ムーンシャイナー誌6月号より

現在、米国ブルーグラス界でもっとも大きな話題の16歳の天才少女、シェラ・ハル(写真)が全米デビュー作『Secrets』を発表した。21世紀の若いテクニックとトラッドグラスへのリスペクトを感じさせ、なお、みずみずしさに溢れた強烈な一撃である。
 しかもこの夏、シェラは埼玉県川口市の国際交流プログラムに来日、その後、7月29日から自身のバンド、若手トップ・ミュージシャンによる標準ブルーグラス編成5人組のハイウェイ111を米国から呼び寄せて日本全国をツアーするという。きっと新旧のブルーグラス・ファンを納得させる、米国ブルーグラス最前線のソリッド・ブルーグラスが堪能できるだろう。
 まずはこの少女、どんな女の子なのか…、さまざまな資料から紹介してみよう。(文責/渡辺三郎)

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 1987年、16歳のアリソン・クラウスがラウンダー・レコードからデビューした。そのとき、誰も16歳の少女がのちにグラミー賞女性最多受賞の記録を塗り替えるアーティストになるとは、正直、考えてもいなかった。そして今年5月、同じ16歳のシェラ・ハルが同じラウンダーから全米デビューをした。
 16歳、女の子がもっとも輝く年ごろである。そんなフツーの女子高生という一面を持つ天才少女はアリソンの庇護の下、そのたぐいまれな音楽的な才能とともに、輝かしい将来が期待されている。…が、そんな彼女の生まれ育ったのはダニエル・ブーン国立森林にほど近いアパラチアの西端、われわれが一般にアメリカに対して抱くイメージとはかけ離れた地域だ。

 シェラのホームタウン、テネシー州バーズタウンはノックスビルとナッシュビルの中間、ケンタッキーとの州境にほど近い人口903人の高地にある田舎町だ。平均所帯収入は2万ドル以下、200万円にもならないという地域。まさに、かつては秘境とされたようなアパラチアの一角である。
 そんな、とても貧しいエリアでは、「人々は音楽を楽しむこと、ほとんど毎週のようにどこかでピッキン・パーティーが開かれ、魂を込めて心から歌うことを自然に覚えていくのだ」と、ハル一家の友人である隣町、フェントレス郡の市長が語っている。
 父は家具工場で働き、母は看護婦。2歳上のコディーはすばらしいギタリストだし、母のブレンダもリズムギターを弾くという。コディーは川口総合文化センターでのコンサートには参加するし、ブレンダは保護者として来日の全日程に付き添う。ちなみに、日本人にとって「ハル」と言えば、太平洋戦争開戦のきっかけとなった「ハル・ノート」、米国国務長官のコーデル・ハル(1871-1955)なのだが、そのハル長官はテネシー州バーズタウン出身なのだ。日米開戦というデリケートなトピックなので、シェラとの関係はまだ聞いていない……。(閑話休題)

 すでに2度のカーネギーホール出演をはじめ、グランド・オール・オープリやマールフェス、T.ボーン・バーネットの『グレート・ハイ・マウンテン・ツアー』に抜擢されるなど、さまざまなメジャーステージを経験し、アリソン・クラウスやサム・ブッシュほか、ブルーグラスの大御所たちとの共演も数知れないシェラ、10年後には間違いなくアメリカのブルーグラス界を支えるトップ・アーティストになっているだろう彼女、現在、米国ブルーグラス界でもっとも期待される話題のシェラ・ハル、どんな少女なのだろうか……。

■フツーの女子高生 
 「わたしは今、公立高校2年生なの。学校と音楽、なにもかもがあっという間に一緒くたになっちゃって、もう大変なの。高校卒業までにあと1年、でも、やるしかないわ」。
 アメリカの多くの天才と呼ばれるミュージシャンたちは、子供のときからホームスクールという家庭学習プログラムで勉強をするのが当節の流行のようだが、シェラは小さな町の公立高校を選んでいる。そこでフツーの高校生活を過ごしていることが、あのおしゃまで快活な性格を醸成したのかもしれない。シェラの人をそらさない、大人もたじたじの会話術は天性の頭の回転の速さと同時に、「スモールタウン・ガール」の面目躍如といったところか?
 「高校をやめる気はないわ。でも、GED(学力検定)テストも興味なしよ。やりはじめたことは最後までやり通すつもりなの。学校が大好きだし、高校を卒業するということがわたしにとってとても大切なことなの。でも、学校を休むことも多くなって、追いつくのに大変。早くやり遂げて、音楽だけに集中したいと思うこともあるけれど……」。

■ブルーグラス
 「父さんはずっとブルーグラスも好きだったけれど、いつもはロックを聴いていたの。それがある日、ラリー・スパークスのテープを買いはじめたのよ、ママはとてもショックみたいだったけれどね。ラリー・スパークスってハードコアなトラッドグラスでしょう、父にとってはきっと大きなジャンプだったでしょうね。わたしは兄のコディーと教会で歌ったりはしていたんだけど、わたしが8才のとき、父が自分でマンドリンを買ってきてレッスンを受けはじめたの。それを見て、わたしもブルーグラスに興味を持つようになったの」。
 多くの子供たちが、生まれたときから親たちのバンド活動を通じて自然にブルーグラスに親しんでいくのだが、シェラの場合は違ったようだ。マンドリンを弾きはじめたお父さんが、あっという間にシェラに追い越されていく様子を想像すると、微笑ましくもある。

■ハリウッド女優デビュー
 「この5月に初めて映画を撮るの。ビリー・グレアム(南部バプテスト教会の福音主義伝道師。アメリカの伝道師と呼ばれ、大統領就任式の際の祈祷をたびたび担当する。1918-)の伝記で、ビリーの少年時代の妹役を演じるの。とてもワクワクするわ。この前、ロニー・ボウマンやジョン・コーワン、ロニー・マッカーリーらとジョン・カーター・キャッシュのスタジオでサウンドトラックも録音したところなの。"Just As I Am"という曲で、ビリーのテーマソングのように使われるらしいのよ」。ハリウッド映画『Billy; The Arly Years』は今秋全米公開予定だ。
 すでにカーネギーホールに2度、アリソン・クラウスやサム・ブッシュらの引き立てでグランド・オール・オープリをはじめさまざまな大舞台を経験してきたシェラ、女優としてのキャリアが加わるとは、まさにシンデレラ・ガールといえるだろう。

■マンドリンを弾くシンガー
 「ひとつの音楽だけに心を閉ざすのは良くないと思うわ。ブルーグラスにはそういう人も多いけれど、わたしはジャーニーとかエア・サプライ、デフ・レパードとか、父の好きなZZトップなど、何でも聴くわ。それと同じブレス(呼吸)でラリー・スパークスとかドイル・ローソンを聴くのよ」。
 「教会の行き帰りには車の中で兄と一緒にドイルを聴きながら、あんな風に歌いたいって、よく大声で一緒にハーモニーしていたの。でも、真剣に歌を歌おうとしたことはなかったけれどようやく最近、わたし自身の声を見つけたような気がするの。マンドリンを弾きはじめて8年、ずっとマンドリン弾きだと思っていたのだけれど、ここ2年ほど、歌うことの意味が分かってきて、わたしの音楽で伝えたいことの大きなパートになってきたの。わたしのことを『マンドリンを弾くシンガー』だと思ってもらいたいわ、『歌も歌えるマンドリン弾き』じゃなくってね(笑い)」。

■マンドリン
 「父さんははじめ、わたしにフィドルを勧めたの。そのためにチューニングが同じマンドリンを教えてくれたんだけど、フィドルが大人サイズのもので弾けなくて自然にマンドリンを弾くようになったの。でも、今でも少しはフィドルを弾くんですよ。ギターは大好きで、いつも弾いています。
 マンドリンに関してはアダム・ステッフィとクリス・シーリね。クリスって、『ワァーオ、そんなことマンドリンで出来るんだ』って人々をビックリさせるものね。ほかに、アンディ・レフトウィッチや、サム・ブッシュ、ウェイン・ベンソン、アラン・バイビー、そしてもちろんドイル・ローソンも大好きよ。でもやっぱり、影響というと間違いなくアダムとクリスかな」。
 シェラのマンドリンはもちろん、ギターがすごい。あの華奢な体で軽々とドレッドノートのギターをデリケートにフラットピッキンされた日にゃ、もう敵いません…。最新作『Secrets』の中でも、シェラのオリジナル・インスト"Hullarious"で信じ難いフラットピッキン・ギター・テクニックを聴かせているし、昨年のIBMAショウケースではギターを抱えて実に美しいバラッドも聴かせてくれた。

■クリス・シーリとの出会い
 「10才のとき、はじめてあんな大きなフェス、マールフェスに行ったの。両親がわたしの大好きなアリソン・クラウスが出るからって、はじめての小旅行のようだったの。そこでクリス・シーリをはじめて見て、ステージから降りてくる彼にストラップにサインをせがんだの。サインをもらった後、そこにいた女の子が、何か弾いてって言うから彼女に1曲弾いてあげたの。するとクリスがこっちを向いて、わたしの背丈に合わせて膝を折って、『なんてこったすげぇ、一緒に弾くかい?』って。
 彼はほんとに素敵な人で、そのあと2時間、ずっとジャムしたの。それが最初の出会いだったの。クリスのような人が、ちっさな子供のために自分の時間を割いて、あんなに長い時間一緒に弾いてくれたなんて、ものすごくクールなことよ。そして、もっとクールなのはジャムの後、バックステージに連れて行ってくれてアリソンにあわせてくれたの。夢がかなったの!! わたしの一番大きな思い出よ」。
 そう、アメリカではこうして次々と優秀なミュージシャンが発掘されていく。きっとその日のうちに、「シェラ・ハル」という名前はマールフェスのバックステージの話題となり、それが日を追ってブルーグラスの重要な人たちの耳に入っていき、ブルーグラス界全体の話題となっていく。

■アリソン・クラウス
 「もう、言葉も出なくて、ほとんど泣きそーだったのよ。あらゆる意味で、彼女はわたしのメイン・ヒーローなの。彼女に勝る人はいないわ」。12歳当時のシェラが、初めてアリソンと会った10歳のときの様子を、ボストン・グローブ紙に語っている。ブルーグラスを好きになった少女にとって、アリソン・クラウスは雲の上の女性。誰がなんと言おうと、彼女の存在は大きい。そんなアリソンがシェラを保護し導きつづけているのだという。
 アリソンは、「親子のような関係だっていう人もいるけれど、とんでもない。彼女にはすばらしいブレンダっていう母親がいるし、わたしたちは親友のようなもの。彼女の才能だけがすごいんじゃなくて、人としての積極性や勇気に感心するの…」という。ふたりは、映画『オー・ブラザー』から生まれた『グレート・ハイ・マウンテン・ツアー』のツアーバスの中でよくウィットの効いた替え歌を作ったり、姉妹のように仲が良かったといわれている。
 当時12歳だったシェラに、「とても美しいと思ったわ。何千人もの観衆に対してまったく物怖じせず、堂々と自信を見せ、ジョークで笑わせるなんてとても美しいことなの」とアリソンは語っている。
 「アリソンがステージにいるときは大スターなんだけど、彼女の心の中はいつも普通のアリソンなの」、とシェラはアリソンがユニオン・ステーションのメンバーをサイドメンとしてではなく、対等に処遇する様子を見て感心したとも述べている。つまり、アリソン・クラウスとユニオン・ステーションはバンドで仕事をするとき、メンバー全員が、アリソンを含めてギャラを均等割りにする。
 シェラはそのとき、間違いなく、ブルーグラスの本来あるべき姿を学んだだろう。将来、きっと大スターになったとしても、シェラはアリソンを見て学んだブルーグラスの本当の意味を忘れないだろう。ブルーグラスはメンバー全員が気持ちを合わせて創るアンサンブル音楽なのだということを。

■ブルーグラスを愛する人々
 「これまでに出会ったブルーグラスとそれを愛する人々は、音楽を学び演奏するというすばらしい環境を創ってくれています。この夏、日本に行けることになったのも、そうしたすばらしいブルーグラスの人々の力添えによるもので、とても楽しみにしています。わたしもこのすばらしい音楽の一部であることに幸せを感じます」。
 シェラの最新アルバム『Secrets』には、その瑞々しい16歳の感性と、還暦を迎えたブルーグラス・スタイルへの憧憬と愛情が見事に織り込まれたさわやかなアルバムとなっている。

 シェラがはじめてサム・ブッシュにあったとき、わたしは偶然、ルイビルのガルトハウス・ホテルの同室にいた。そのとき、たしかに震えるほど緊張していたと言うが、サムを相手に一歩も引かないジョークの応酬に驚いた。10歳そこそこの小さな女の子が、われらがサムを相手に彼を、そして周りを爆笑させ、ジャムでも堂々と渡り合っていた。その強心臓は、写真で見る可愛い女の子というイメージとは程遠い、芯の強さを感じたものだ。
 その後、IBMA教育プログラムの学校向けブルーグラス紹介DVD作品『Discover Bluegrass; Exploring American Roots Music』でライアン・ホラデイとともにホストを務めたり、前述のように、あらゆる大きなチャンスを与えられてきたシェラ・ハル。まちがいなく、21世紀のブルーグラスを背負っていく宿命が与えられたシンデレラガールである。
 ストレート・ブルーグラスの基本をしっかりと守りながら、圧倒的なテクニックと、女性らしいしなやかな作品に仕上げられた全米デビュー作『Secrets』は、ユニオン・ステーションのほか、トニー・ライスやステュアート・ダンカンらが参加したすばらしいブルーグラス・アルバムになっている。つぎに、アルバムの公式プレス・リリースを紹介しよう。
 以下、割愛。

「月刊ブルーグラス・ジャーナル、ムーンシャイナー」は今年、創刊25年目を迎えています。
なお7月号には、ハイウェイ111のメンバーや、川口市へやってくるメンバーらの紹介があります。
定期購読は1年間(12冊)\6,000- 半年間(6冊)\3,300-。単冊\525-。
ご注文は、info@bomserv.com
http://www.bomserv.com/MoonShiner

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 シェラ・ハルの全米デビュー作『Secrets』に寄せられたメッセージです。

 シェラは、まぎれもない特別な才能に恵まれた素敵な女の子であり、成功が約束された人です。わたしは、人間としても彼女を敬慕します。
―――アリソン・クラウス

 シェラ・ハルは間違いなくわたしのお気に入りのマンドリン・プレイヤーだ!ソロを組み立て、あらゆるシチュエーションに対応していく彼女のアプローチは、ボーカル・ナンバーであれインストゥルメンタル・ナンバーであれ、年齢を遥かに超越したもので、いつもただただ驚かされてばかりだ。熱心にいい音楽を演奏し、創り出そうとしているフレッシュな若いプレイヤーを聴くのは、いつであっても素晴らしいことで、シェラ・ハルはいつまでもわれわれみんなが聴き入り、見習おうとトライするであろうプレイヤー、シンガーになることをわたしは確信している。もし君がマンドリン・プレイヤーで、まだシェラ・ハルを聴いたことがないなら、すごい楽しみが待っているよ。そう、マンドリンをもって、思いつく限りのリックをかきだす用意をするんだ。わたしはそうするよ!彼女は真のインスピレーション、それにすごくいい人なんだ!!!彼女のことを友人といえることが嬉しいし、君はこのレコーディングが好きになるだろう。
―――アダム・ステフィ

 アルバム『Secrets』でシェラ・ハルはバンドを権威を持ってリードしている。彼女のボーカルはメロディに的を絞りながら、苦もなく的確にポイントをついている。マンドリン・プレイはスムーズで、正確で、そしてまぎれもなくつかみどころのないものだ。彼女の緻密で機敏な演奏は驚くべきもので、音楽的に成長していくだろうそのポテンシャルは物凄い。シェラが次にどんなことをやってくれるのか、とても待ち遠しい。しばしば、優れた才能がやってきて、われわれはじっと座って注目することになる。そのときがいま、シェラ・ハルなのだ。このCDは素晴らしい!!!HULLACIOUS!!!
―――サム・ブッシュ

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シェラ・ハル&ハイウェイ 111 来日のお願い

今回、7月29日から8月7日にかけて予定中のシェラ・ハル&ハイウェイ111 の来日には、フルメンバーが揃い、しかも現在米国で、もっとも期待される話題の天才少女といわれる女の子、これを逃すと、チャンスはなかなか来ないと思います。特に若い人たちにも見てもらいたく、何が何でも成功させたいと思っています。全国のブルーグラス・サポーターの皆さん、なにとぞ、よろしく力をお貸しください。

ハイウェイ111来日ツアーの前、7月23日から埼玉県川口市の川口総合文化センターが主宰する「国際交流フェスティバル」が、同センターやIBMAなど、さまざまな人たちの善意で実現しました。アメリカの高校生15人が来日(その中に、ハイウェイ111の10代のメンバー3人が含まれている)、シェラはそのまとめ役です。彼らは1週間、川口市の普通の家庭にホームステイして、日本文化に触れます。その後、26日に国本武春とのコンサートや、27日に彼ら自身のコンサートを川口総合文化センターで開きます。
その後、28日に米国より、ハイウェイ111のメンバーふたりを呼び寄せ、米国でツアーしている全員が揃って10日間、全国をツアーするという予定です。
多くの人たちの善意でやってきたチャンス、未来のブルーグラスに接するまたとないチャンスです。是非、皆さんの協力で成功させたいと思います!! 米国のバイオグラフと、それを訳したものと、インタビューから構成したムーンシャイナー6月号用原稿(ラフですが)をご希望の方にお送りします。ご希望の方はお申し出ください。

シェラ・ハル以外の来日メンバーは、
●コリー・ウォーカー、19歳のストレートなパワーバンジョーの天才少年です。http://www.coryandjarrodwalker.com/
●シェーン・ブラックウェル、30代のフラットピッカーで、父はトラッドグラスで知る人ぞ知る70年代初期にカウンティから名盤を残しているカーティス・ブラックウェル。
●ジェイコブ・イラー、ベース
●クリス・ワード、16歳のロサンゼルス出身のフィドラー。父親はウェアリー・ハーツやロスト・ハイウェイで知られるエリック・ユーグラム。http://ericuglum.com/
以上が予定されています。

シェラ・ハルの公式ホームページ
http://www.sierrahull.com
また、以下で5月発売の最新アルバムから3曲が聞けます。
http://www.myspace.com/sierrahullmusic


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